30分のミニ講義を聴講しよう!思いのままに操る! 医療ロボット研究開発
ロボット技術は産業だけにとどまらず、さまざまな場面で活用されつつあります。例えば、手術では、ロボットを自分の手先・指先のように巧みに操ることが必要です。講義ライブでは、ロボットに必要な基礎技術と「巧みに操る」ための工夫について紹介します。
ロボットを操作する難しさ
人の感覚を操る
多感覚錯覚を引き起こすことができるか?
思いのままに操る! 医療ロボット研究開発
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう内視鏡手術ロボットの開発で、ミスを防ぎ患者さんの負担を軽減する
従来の内視鏡手術の問題点外科手術では、患者さんの身体的な負担を軽減するために、体を大きく切開せずに行う内視鏡手術が多く採用されています。術部に複数の小さな穴を開け、そこにカメラや鉗子(かんし)と呼ばれる細長い手術用具を入れて手術を行うものです。この手術では穴を支点に操作するため、カメラの画像と操作桿(かん)の動きが逆になるという問題があります。また、長い棒の端で操作を行うため、鉗子で細かな動きを行うことは容易ではありません。そのため、手術には熟練の技術を要します。手術ロボットのメリットと開発上の課題そこで開発されているのが、手術ロボットです。このロボットのアームは、モーターと動力を伝える機械でできていて、ソフトウェアで制御します。操作は2本のジョイスティックで3D映像を見ながら行えるため、画像と操作が逆転することなく直感的です。また、多関節なので細かな操作が可能です。
このロボットの開発において重要なのが、モーターの動力を先端の動作部分にいかに伝えるかです。まず、形状は細くて長くないと体の奥まで入りません。また、体の内部では臓器の動きなど外力がアームに働きます。さらに、医療機器であるため、滅菌消毒に耐えられる必要があります。このような制約の中で、先端部分をリアルタイムで正確に位置決めする必要があるのです。バネを使った新しい動力伝達機構歯車では隙間があるため位置決めにバラツキがあり、動力伝達に遅延が生じます。そのため、平板なバネを組み合わせた特殊な機構が開発され、動力の伝達と動きのコントロールを行っています。これだと正確な位置決めができ、動力伝達もスムーズです。また、歯車を使わないため、部品点数を大幅に減らすことができ、小型化が可能です。
内視鏡手術ロボットは患者さんの負担を減らすだけでなく、入院期間が短縮されることで医療費の削減にもつながります。まだ発展途上で課題は多くありますが、医療を大きく変えていく可能性を秘めています。



