30分のミニ講義を聴講しよう!スポーツ傷害をきっかけとした心の成長
怪我はアスリートの心に傷跡を残すことがありますが、近年の研究では、その先に心の成長が生じる可能性があるとわかってきました。講義ライブでは、心の成長とは何か、どのようなメカニズムで起こるのか、成長を後押しするものは何かについてお話しします。
ケガをしたアスリートが抱える気持ち
ケガをきっかけに成長するPTG
アスリートがPTGを経験するためには?
スポーツ傷害をきっかけとした心の成長
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようつらい経験を通じた心の成長
トラウマで終わらない人の心とはPTSD(心的外傷後ストレス障がい)とは、自分の価値観や世界観が崩壊するようなつらい出来事があった時、それがトラウマとなってその記憶が何度もフラッシュバックし、過度な不安や不眠を引き起こすものです。これまで心理学ではPTSDによるマイナスをどうゼロに戻すか、という研究が続けられてきました。しかし、インタビューと統計学の手法を用いた研究により、1990年代後半に「PTG(心的外傷後成長)」という概念が明らかになりました。つらい経験を通じたポジティブな変化自然災害や家族との死別、あるいはスポーツ傷害など本人にとってつらい出来事は、時にその人の心に傷跡を残します。ところがそれらの経験で人はネガティブになるだけでなく、周囲の人に優しくなったり、社会貢献活動に参加したりするケースもあります。スポーツ選手が「あのけがの経験が自分を成長させてくれた」といったことを口にするのを聞いたことがあるでしょう。PTGはそういったポジティブな変化を指します。心の成長には段階がある例えばスポーツでの負傷で、再起不能となることがあります。将来を悲観し、引退を考えるほど追い込まれることもあるでしょう。その後、侵入的思考といって、考えたくないのに何度も同じことを考えて苦しむ時期が来ます。しかし、人によってはやがて心の中が整理されると、「この経験は自分にとってどんな意味があるのだろう」という前向きな思考が始まり、その先にPTGがあるとされます。PTGには、「他者との関係性を見つめ直す」「新たな可能性を感じる」「人間としての強さ」「見えないものを大切にする精神性的変容」「人生に対する感謝」という五領域があるとされます。
PTGが起きたからといって、過去の記憶から完全に解放されるわけではありません。PTGに至る時間も人によってバラバラです。しかし、つらい記憶と共存しつつ成長することは可能なのです。


