30分のミニ講義を聴講しよう!ナノ空間を使って分子の個性を引き出す
分子をそれと同程度のサイズの空間に閉じ込めると何が起こるのか? 我々が自身のサイズと同じ空間に閉じ込められるときゅうくつに感じますが、分子の場合はどうなのか? ナノ空間内では通常では考えられないような性質や化学変化が起こることを紹介します。
ナノ材料を語る上で欠かせないものとは?
「単層カーボンナノチューブ」の特殊な性質
分子が居心地の良いスペース「ナノ空間」
ナノ空間を使って分子の個性を引き出す
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう目に見えないナノ世界の特殊な性質を解き明かそう
微少な空間の秘密を探ろう最近、さまざまな分野で「ナノ」が注目されています。1ナノメートルは1mmの100万分の1で、このサイズの構造体は決して人間の目でとらえることはできません。物質には固体・液体・気体と3つの状態がありますが、中でも固体のナノ空間は直接観察するのが困難です。しかし、この「固体ナノ空間」にこそ、私たちの生活を変える可能性が隠されているのです。
例えば、浄水器に使われる「活性炭」や、ディーゼルエンジンの排ガスの有害物質を分解する触媒として使われる「ゼオライト」には、ナノレベルのたくさんの小さな孔(あな)があり、匂いなどの成分をそこに引き寄せるという性質を利用しています。この現象を「吸着」と呼びます。これらの吸着材は、原発事故にともなう放射性物質の除去や、宇宙ステーション内の二酸化炭素の除去など、用途をさらに広げています。ナノ空間だから可能となる化学反応も化学合成でも、これまでは一定の条件がなければ不可能だったことが、「ナノスペース」という条件下であれば反応が一気に進む場合があることがわかっています。
例えば、船底に塗る亜酸化銅を合成するには、酢酸銅を高温・高圧の状態にしたり、紫外線や還元剤を使ったりする必要がありました。しかし溶液にナノチューブを入れることで、分子が極小空間に入って不安定な状態となり、元に戻ろうか反応しようかというせめぎあいとなります。すると紫外線でなくても、蛍光灯などの可視光で容易に反応し、還元剤がなくても亜酸化銅になることがわかりました。常識にとらわれないことが新発見につながるほかにも、イオン溶液でマイナスイオンだけが吸着したり、絶縁体であるはずの硫黄が電気を通したりと、「ナノスペース」の世界ではビーカー、フラスコ、試験管では絶対に起こらない反応が起きます。ですから、固定観念にとらわれず、見えない世界を実験と計算の両方で解明していくことで、これからまだまだ人類が知らない反応や物性が発見される可能性が大いにあるのです。先生からのメッセージ
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は英語字幕あり













































